チート使用者がもたらす
ゲームの終わり

2017.6.5 UPDATE

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チートは不正行為だ。

そしてゲームプレイヤーのコミュニティから忌み嫌われる行為でもある。

なぜなら、チートはゲームを壊すからだ。

チートによってゲーム自体の面白さが奪われ、
しまいにプレイヤーたちはゲームを起動しなくなってしまう。

text by オオギ
edit by PACHIMARI.JP

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あなたがゲーマーなら「チート」という言葉を聞いたことがあるかもしれない。チートとは、ゲームのプログラムを改ざんしたり、外部ツールを使ったりして、ゲーム製作者が意図しない動作をさせる不正行為のことだ。

チートにはさまざまな種類が存在し、FPSにおいては敵に自動で照準を合わせるオートエイムや、壁のグラフィックを透けさせて敵の位置を見えるようにするウォールハック、なかにはゲームがスタートした途端にプレイヤー全員を死亡させたり、ゲームサーバーをダウンさせたりするようなものもある。

 

esports分野を取り扱う弁護士・薬師神 豪祐氏は、こうしたチート行為は「電子計算機損壊等業務妨害罪や偽計業務妨害罪などにあたり、刑事罰が課させる可能性があります」と言い、実際に逮捕者が出ている事例も少なくない。

そして、チート使用は不正行為であると同時に、ゲームプレイヤーのコミュニティから忌み嫌われる行為でもある。なぜなら、チートはゲームを壊すからだ。

対人戦を行うすべてのゲームにおいて、対戦相手となるプレイヤーの存在は必要不可欠であり、そのプレイヤーたちをゲーム画面へと向かわせているのは、彼らの「対戦したい」というモチベーションに他ならない。チートは、そのプレイヤーたちのモチベーションを軽々と奪い去っていく。

皮肉なことに、正常にゲームが成立するように組まれたシステムによって、プレイヤーのストレスに拍車がかかることもある。ゲームによっては、試合中にゲームから離脱することに対してペナルティを課すシステムがあるため、チート使用者に遭遇したとしても、プレイヤーはそのゲームから抜けることができず、理不尽なチートプレイにストレスを感じながらプレイをすることになるのだ。

チート使用者のようにルールを守らないプレイヤーがいる時点で正常なゲームは成立しない。ゲーム自体の面白さが損なわれ、ゲ

ームを楽しめなくなり、しまいにプレイヤーたちはゲームを起動しなくなってしまう。対戦ゲームから対戦する相手がいなくなってしまう、つまり、そのゲームで遊べなくなってしまうのだ。

(チートだけが原因とは言い切れないが)とある無料FPSゲームでは、それまで1万人弱いたプレイヤーが、チート使用者が現れてから4ヶ月で、約2,500人まで激減したという例もある。

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先日、オーバーウォッチの国内プロチームにチート使用者が加入したことが発表され、コミュニティから多くの反発の声があがった。

そのゲームの上位プレイヤーたちがしのぎを削る競技シーンにおいて、「チート使用者の参加を許すか」という問いは、言い換えれば「ゲーム自体を破壊する存在を許容するか」という問いである。こうした問題について、「判断基準となる競技ルールを制定すべき」だとか「パブリッシャーが判断すべき問題」という意見もあるが、それ以前にゲームを支えるコミュニティから「NO」が突きつけられるのは必至だ。

コミュニティと競技シーンの関係を決めるこの問題には、ぜひ慎重な判断をしてもらいたい。

 

 

取材協力:taharasan薬師神 豪祐